2016年8月12日(金)、シュリ・チンモイ マラソンチーム メンバーでチェコ人のアベジャリ・ベルナドバさん(39)が津軽海峡横断泳に成功しました。横断泳の出発点である竜飛岬周辺は極寒の冬でも雪が積もらないほどの強風で知られ、また遭難したら遺体が上がらないほど潮の流れが強く変わりやすい海峡でもあります。このため津軽海峡はオーシャン・スイムを行う世界の強豪スイマーが制覇を目指す世界の7大海峡Ocean’s Sevenの一つに数えられています。

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アベジャリさんはドーバー海峡横断泳を2011年に達成してから、厳しいトレーニングと瞑想を通し、ジブラルタル海峡(2013)、カタリーナ海峡(2015)と完泳を続け、津軽海峡は4海峡目の挑戦となりました。同海峡遠泳は夏の短い期間のみ行われ、一人当たりの割り当て日数が2日間しかないため、実力とともに天候や海のコンディションがその日に整っているかという運にも大きく左右されます。アベジャリさんが龍飛に到着したのは台風が去った直後、幸い波も静まり割り当て日の初日にスタートとなりました。

本州と北海道をつなぐこの海峡は最短で19.5kmほどですが、海流の関係で実際は30kmを泳ぐことになります。午後からのきつい潮の流れを避け、同時に真っ暗闇を泳ぐ時間を最短にするべく朝3時半に出発。水島船長さんの操縦する漁船に導かれ、船と平行に水中に流された白のノボリの真上を泳ぐことで正しい方向に泳ぎ続けます。オブザーバー(記録係)はオーシャンナビの東海林さん。ヘルプ・チームはアベジャリさんの妹ヤナさんとその婚約者のティアゴさん、シュリ・チンモイ マラソンチームからウジョギニ・ホールさん(オーストラリア)と私(砂押ホロシタ)です。

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中盤強い潮に入り、1時間1キロというペースに落ちる困難に遭遇しながらも全体的には非常に穏やかな天候と波・潮に恵まれ、最後は目的地の中心に当たる灯台に無事到着しました。水島船長の長い経験でもこれまで他に3名しかこの中心点には到着できなかったということです。記録は11時間7分58秒。アベジャリさんは津軽海峡横断に成功した初のチェコ人となりました。当マラソンチームの創始者シュリ・チンモイの哲学「自分を超える(セルフ・トランセンデンス)」にのっとり、以後もオーシャンズ・セブンへの挑戦を続けています。(2017年10月現在、さらにハワイのモロカイ海峡とスコットランドーアイルランド海峡の2海峡を完泳し、残るはニュージーランドのみとなっています。) 

「私たちのモットーは
前進すること。
自分を超えていくことに
とてつもない喜びがある。」

Sri Chinmoy 〜シュリ・チンモイ